インタビュー
東野智弥
JBA技術委員長
東野智弥
JBA技術委員長
日本バスケットボールの強化目標を世界NO.1にしようと考えた時、4つのテーマを掲げました。
- スペシャリストを輩出する
- 個を世界に輩出する環境
- 育成・発掘とエリート強化
- 日本の戦い方
テーマの中でも、キーワードとなっていたのが、アウトサイドシュート、フィニッシュ力であり、昨今のバスケットボールでは(シュートの選択のバランスは必要なものの)、「3ポイントシュート」、3x3(3人制で)は「2ポイント」のロングシュートは要となります。
身長の高い、低いに関わらず、誰もが3ポイントシュートが打て、確率良く決めることは目標であり、現代バスケットボールではスタンダードになってきています。
また、選手成長の道筋として、ポジションレス(オールラウンダーこそが高い競争環境でも結果を勝ち取れる)、インテンシティ/フィジカル(強いメンタルとフィジカルからなる高い強度のバスケットボールが世界に打ち克つベースとなる)、フィニッシュ(3ポイントシュートは当然ながら、プルアップやペイントアタック等のバリエーションにより、常にスコア可能な武器を持つ事)、クリエイティブ(高いインテンシティのゲームの中で、アイディアを持ち、かつプレー解決能力の高い選手)、世界を知る/日常を世界基準(世界で通用する能力をもった、ポジションレス、強靭なフィジカル、フィニッシュ力を兼ね備えた選手)この5つを育成する環境構築をめざしていければと私自身現在考えています。
シュートフォームを身につける、そしてリピートをするという前提ではあるものの、「反復して、シュート力を着ける」という環境を整える上で、シューティングマシンは必須のアイテムの一つではないかと考えています。
現役時代、1,000本のシュート練習
私の話で恐縮ですが・・・、シューティングマシンは願ったり、叶ったりの製品で、高校時代、朝5時に起きて体育館に行き、シューティングをして、部活が終わったら22時まで体育館にいるのが当たり前の生活をしていました。
毎日1000本のシュート練習をしていました。それくらい打ち込まないと自信がもてない、そのように考えていたからです。
その当時シューティングマシンがあったら、もっと短時間で効率的に打てたのではないかと思います。
日本のバスケットボール界のさらなる進化に向けて
「JBAテクニカルレポート2021: http://www.japanbasketball.jp/training/documents/」を誰もが閲覧できるように、JBAサイトに公開しました。
この資料は、日本のバスケットボールを世界水準にしていく上でのベースの資料で、PDCAサイクルを回す上での重要な資料となると考えています。またこのレポートを共有、浸透していくことで、「育成・指導者養成・強化」で、さらに上のステップを踏めるのではないかと考えています。
ぜひ、参考までに育成への提言として「テクニカルレポート・フィードバック:http://www.japanbasketball.jp/wp-content/uploads/TR2021_feedback_20220524.pdf」全体像把握するために活用してもらいたいと考えています。また、そこでも「シュート力向上」のことが記されています。
バスケットボールの勝敗に偶然は少ない
スポーツの世界では、明らかに実力の劣るチームが強いチームを倒すことを、下剋上、アップセット(番狂わせ)を「奇跡」が起こったなどと表現します。しかしながら、バスケットボールにおいて「奇跡」は起こりにくいと言えます。力の差があるチーム同士の対戦では、時間が経過するにつれて徐々に点差が離れ、ゲーム終了時には実力相応の点差がつき、強いチームが勝利することがほとんどだからです。
アメリカに留学で行ったとき、ほとんどの大学、高校、または他の施設でもシューティングマシンが入っていました。こういう文化を作っていく、環境を整えていくことが必要だと思っています。
シューティングマシンがどんどん導入されていき、未来が創造されていくのが、本当に楽しみです。
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